JOURNAL

「Attachment」ネックレスとTomorrowlandコラボレーション

Tomorrowlandとのコラボレーション、その始まりについて

2019年からスタートして今年で6年目を迎えるTomorrowlandとのコラボレーションについて綴りたいと思います。

この取り組みのきっかけとなったのは、10年以上前にデザインした「Attachment」ネックレスでした。
まずは、その「Attachment」ネックレス誕生の背景からお話しします。


「Attachment」ネックレスの誕生

このシリーズを手がけたのは2014年頃。
それまで主に制作していた陶磁器のジュエリーから離れ、地金や天然石といった新たな素材に取り組み始めた時期でした。

「Attachment」は、人工貝パールのロングネックレスに、取り外し可能な幾何学的なパーツを1つ、あるいは2つ取り付けることで、装いにさまざまな変化をもたらすネックレスシリーズです。
人工貝パールについてはパールの記事で触れていますのでそちらをご参照ください。

パーツはネックレスのワイヤーに引っかけるだけで簡単に着脱できる構造で、使う人のスタイルに合わせて自由にアレンジすることができます。
従来の“フォーマルなパールネックレス”とは異なる、新しいアプローチのデザインです。

「使う人が完成させる」ジュエリー

こういった“使う人が自ら完成させるデザイン”には、学生時代から強い関心がありました。
当時、プロダクトデザインを専攻していたこともあり、使い方によって形が変わる照明や、配置によって用途が変化する食器など、「完成形を決めすぎないデザイン」に惹かれていたのです。

「使う人が介在することで完成する」——
そんな“余白”を大切にする考え方を、ジュエリーで初めて形にしたものが、この「Attachment」シリーズでした。


バイヤーとの出会いとコラボレーション

「Attachment」シリーズは、発表から5年ほどの間は、自社のオンラインショップや催事などで細々と販売していました。
使い方に少しコツがいるため、直接ご説明できる接客の場の方が伝わりやすく、大ヒットというよりは、じわじわとお客様に届いていったアイテムです。


2018年、海外への取引先を広げようと、NYの展示会に参加しました。
そこで出会ったのがTomorrowlandのバイヤーの方でした。
たまたま自社ブースにアメリカ人と日本人のハーフの友人に立ってもらっていたため、海外ブランドだと勘違いしてブースを見てくれたそうで、本当に偶然の出会いでした。
その出会いを経て、Tomorrowland日本橋高島屋S.C.店の新規オープンに合わせて「band」シリーズや「双子パールシリーズ」などのお取引を開始。
最初は石やあこやパールなどのシリーズからのスタートだったのです。渋谷の本店と日本橋高島屋の2店舗から展開が始まりました。

その後、janukaのバイヤー向けカタログで「Attachment」シリーズを見つけてくださり、これはいい!ととても興味を持っていただき、実物をプレゼン。こちらも展開をすることになりました。ちょうどTomorrowlandではオケージョンに合うアクセサリーシリーズを探していたタイミングだったそうで、「Attachment」に興味を持っていただけました。

ピアスの提案、そして本格的な始動へ

オケージョンスタイルではネックレスだけでなく、耳元を彩るピアスも必要になってきます。janukaでは貝パールの商品はネックレスしか作っていなかったため、ピアスは「Tomorrowland別注」という形で発表することになりました。
話が進み、あれよあれよという間に、価格帯や素材を揃え「Attachment」ネックレスとペアで使えるピアスのご提案をすることに。ここからコラボレーションが本格的にスタートしました。

それまでjanukaの商品は、日本橋店や渋谷店など、Tomorrowlandの一部限られた店舗での展開でした。
しかし、コラボレーション商品は全国のほとんどの店舗で展開されることに。

最初のオーダーの数には本当に驚きました。
これまで経験のない数量だったため、対応できる工場探しに奔走したのも良い思い出です。

デザイン手法の違いと面白さ

おかげさまで、その後も毎年新作を発表し続け、コラボレーションは継続中です。

普段のjanukaのデザインでは、ブランドコンセプトである「お手本から少しずれた」を意識し、新しい技術や素材との出会いを大切にしています。
一方で、Tomorrowlandとのコラボレーションでは、素材・価格・制作時間などの制約がある中で、即興的にデザインしていくスタイルになります。

僕の中では、それがまるでフリースタイルのジャズやラップのような感覚(どちらもやったことはないですが)。
制限のある中で、どれだけjanukaらしさを表現できるか毎回のチャレンジであり、楽しみでもあります。

どちらが優れている、ということではなく、それぞれに違った面白さがあります。


これまでとこれから

これまでにコラボレーションでデザインした商品は25型を超え、最初に手がけたものも、いまも継続して展開していただいています。

そして今年も、9月に新作コラボレーションの発売が控えています(現在、デザイン中です…!)。

今回は、デザインから10年以上経った「Attachment」シリーズを、少し進化…いや、変化させた形で提案できればと考えています。

今後もネタ切れにならないように、毎回楽しみながら新しいジュエリーを生み出していきたいと思っています。

https://store.januka.jp/collections/attachment