JOURNAL

スライスダイヤモンドの魅力

はじめに

ダイヤモンドと聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
多くの方がキラキラとした強く眩い輝きを放つ”ラウンドブリリアントカット”を思い浮かべられるかと思います。
婚約指輪を始め、ネックレスなどのファッションジュエリーの多くにセッティングされており、鑑定書においても鑑定、表記されるのはラウンドブリリアントカットのみというほどダイヤモンドの標準であり主流となっています。

しかし、昨今ブリリアントカットではない個性のあるダイヤモンドの人気が高まっており、janukaでもスライス状に薄く加工された”スライスダイヤモンド”や自然な色合いの”ナチュラルダイヤモンド”を使用したジュエリーを手掛けています。
その中で今回は”スライスダイヤモンド”の魅力についてご紹介したいと思います。

スライスダイヤモンドとは

スライスダイヤモンドとは、その名の通り、天然のダイヤモンドの原石を薄く輪切りしたようにスライスカットしたダイヤモンドのことを指します。

形、色、内包物、どれを取っても同じものは二つとなく、自然が生み出した唯一無二の個性を感じられます。 黒いカーボンや、ごく微小の白色のインクルージョンが多数集合して雲状に見えるクラウドなど様々な内包物を有しており、地球の地殻変動の歴史を物語る貴重な資料とも言われています。 スライスダイヤモンドに見られるそれらの魅力的な表情は、ダイヤモンドを評価する基準である[4C]の[Clarity]においては評価を下げるものとなります。

(※)[4C]とは ダイヤモンドのCarat(カラット=重さ)、Cut(カット=輝き)、Color(カラー=色)、Clarity(クラリティ=透明度)を基準にしたダイヤモンドの価値評価。

しかし、その[4C]の評価軸に当てはまらない新たな存在意義を持ったダイヤモンドとしてアメリカから人気に火がつきました。
そして近年、内包物を個性や美しさとして芸術的な価値観で捉えた新しい考え方により、需要が増加しています。
さらに、人工ダイヤモンドの台頭により、人工が成せる業である「完璧な美しさ」と対極に位置する「自然が生み出す美しさ」に対する再評価とも捉えられるかもしれません。

また、スライスダイヤの表面には反射(屈折)を作り出すファセットと呼ばれるカット面が入っています。
約1mmの厚みに単純に輪切りにしただけのフラットなダイヤモンドというわけではなく、角度を変えると光るシンプルな研磨がされていてダイヤモンドらしい強い反射の煌めきも楽しむことができます。

スライスダイヤモンドの種類

※スライスダイヤモンドの加工はインドで行われていることが多く、カットの仕方や着色について諸説あると言われています。

//Natural//

採掘されたままの姿を輪切りにしているため、黒いカーボンや、クラウドなどの様々な内包物を有しており、硬い透明なカプセルに閉じ込められた地球の歴史を物語る資料とも言われています。
同じものは二つと存在せず、地球の悠久の歴史を感じることができるナチュラルカラーのダイヤモンドです。

//Blue//

janukaで取り扱っている青色のスライスダイヤモンドはナチュラルカラーのダイヤモンドに人工的な技術を用いて着色されたダイヤモンドを使用しています。ダイヤモンドを着色する方法は様々ありますが、一般的な方法は放射線を照射し、ダイヤモンドの内側から変化させる方法です。このように着色したダイヤモンドは摩擦等で色が落ちることはなく、半永久的に色が保たれると言われています。

//Brown//

こちらの写真のダイヤモンドは アンティークのブラウンダイヤモンドです。100年ほど前にジュエリーとして仕立てられたものから石を外して使用しています。
ダイヤモンドのブラウンカラーは、結晶が大きくなるときに強い力が加わることによって生まれます。強い力がかかり歪むことで炭素原子の配置が動き、その光が石に吸収されて反射することによって茶色い色が発生するそうです。

デザインについて

ダイヤモンドを薄くカットしているがゆえに内包物である黒いカーボンの模様に強い個性が感じられます。janukaではそれらを一つの絵として解釈し、額縁に収めるようなイメージで四角い枠を作りました。

四角い枠にダイヤモンドの自然な形そのままを嵌め込むようにセッティングしているため枠と石が接していない余白が生じます。 その余白を含めた石と枠との緊張感のあるデザインと石の個性が重なり合って、“SLICE DIAMOND”シリーズの魅力となります。

余白がありすぎてしまっては石がきちんと収められませんし、全く余白がないと面白味が出ません。デザイナーが一つ一つ石の柄、形、大きさ、照り、透明感を選別しており、諸条件をクリアしたものだけが形となります。
そしてそのように選別した石をどの角度で枠に収めたらバランスがいいか吟味し、金属加工の職人の手に渡ります。

“SLICE DIAMOND series(スライスダイヤモンドシリーズ)”は、リング、ネックレス、ピアス、ブレスレットと4種のアイテムをお作りしています。しかし、ピアスの場合はペアにする必要があるため似た二枚を探す大変さがあり、なかなかピアスに出来ないという制作側の事情もあります。

“SLICE DIAMOND”シリーズのご紹介

//SLICE DIAMOND NECKLACE #2127//
//SLICE DIAMOND EARRINGS BLUE #1004//
//SLICE DIAMOND NECKLACE BLUE #1770//

“SLICE DIAMOND”シリーズのご紹介

世界中を魅了するダイヤモンドは、歴史、鉱物学、そしてその価値とは何かという部分も含めて語り尽くせない深い世界ですが、その中でも異色な存在感を放つスライスダイヤモンドに焦点を当ててご紹介しました。
スライスダイヤモンドは、ダイヤモンドの硬度、屈折率の高さから見ることができる輝きを主張するものではなく、そのユニークな内包物を楽しみ、非常に硬いダイヤモンドをあえて薄くスライスするという面白さが鑑賞のポイントになるかと思います。

また、2022/4/20(水)~4/26(火)に大阪の阪急うめだ本店にてPOP UPイベントを予定しています。
今回のテーマは「Transparent collection」です。
4月の誕生石のダイヤモンドをはじめ、透明感のあるアイテムを数多く取り揃えました。
今回ご紹介した”SLICE DIAMOND”シリーズの商品もお持ちします。
このご時世でなかなか東京へお越しになれない関西方面の方にも、実物をご覧いただきながらその魅力を感じていただけましたら幸いです。

阪急うめだ本店ポップアップショップ
Special Crafts januka limitesd shop
4月20日(水)〜26日(火)
阪急うめだ本店1階プロモーションスペース11

スライスダイヤモンドそのものの魅力はもちろんのこと、素材を生かしたデザインについて、ご紹介させていただきました。
“SLICE DIAMOND”シリーズをより深くご理解いただける一助になれば嬉しいです。